予防接種
当院では、予防接種(注射によるワクチン接種)として、インフルエンザおよび肺炎球菌のワクチン接種を行っております。これら以外の予防接種については、別途ご相談ください。
インフルエンザワクチン
01インフルエンザとは?
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症です。なおインフルエンザに感染すると1~3日くらいの潜伏期間を経て発症し、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、寒気などの全身症状が現れます。併せて普通の風邪と同じように、喉の痛み、鼻水、咳などの症状も見られます。さらに小児の場合は痙攣や中耳炎、急性脳症の症状がみられ、高齢者や基礎疾患をもつ方では肺炎を併発するなど、重症化することがあります。
このようなインフルエンザを予防する有効な手段のひとつが流行前のインフルエンザワクチン接種です。毎年少しずつ性質を変えるインフルエンザウイルスは、異なるタイプが流行しますので、それに対抗するためにも、予防接種は毎年行う必要があります。
02ワクチン接種について
インフルエンザワクチンは年齢によって接種回数が異なります。13歳未満の場合は2回の接種、13歳以上は1回の接種となります。同ワクチンの接種は、生後5か月から可能です。なお2回接種する場合は、1回目の接種から2~4週の間隔を開けて2回目の接種をお受けください。
接種後、ワクチンの効果が出るまでは約2週間かかりますが、その効果は約5ヵ月間持続します。日本の場合、例年12月~翌3月頃にインフルエンザが流行しますので、毎年12月中旬頃までに接種するのが望ましいと言われています。
肺炎球菌ワクチン
01肺炎とは
細菌やウイルスなどの病原微生物が肺に感染するなどして炎症を起こしている状態が肺炎です。これは免疫力が低下するなどして、感染力が防御力を上回るようになると、病原微生物が肺にまで入り込むようになって感染し、発症するようになります。なかでも高齢者や基礎疾患のある方が感染しやすく、治りにくい特徴があります。主な症状は、発熱や激しい咳のほか、息切れ、呼吸困難などです。重症になると、水分がとれず脱水症状を起こしたり、呼吸が十分にできないことで酸素吸入が必要になることもあります。
02肺炎球菌ワクチンとは
肺炎は日本人の死因の第3位を占め、肺炎による死亡者の9割以上が65歳以上の高齢者と言われています。このような肺炎を予防するのに最も有効なのが肺炎球菌ワクチンの接種です。肺炎球菌とは、肺炎の原因菌の中で最も多い菌(大人の肺炎の20~40%は、この菌が原因)であり、この肺炎球菌ワクチンを接種することで、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防するほか、重症化のリスクを低減させる効果が期待できます。とくに高齢者の方につきましては、肺炎球菌ワクチンの予防接種は定期接種となりますので、できる限りお受けになるようにしてください。
また、インフルエンザワクチンの接種を併せて行うと、肺炎予防の強化にもつながります。そのため、肺炎予防には、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの併用接種が推奨されています。
※肺炎球菌ワクチンは接種後5年以内に再接種を行うと、注射部位の痛みが強く出るケースがありますので、再接種を希望される方は、5年以上の間隔を空けてください。
帯状疱疹ワクチン
01帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされる皮膚の病気です。水ぼうそうにかかったことがある人の体内には、このウイルスが神経節に潜伏しており、加齢やストレス、免疫力の低下などが引き金となって再活性化すると、帯状疱疹として発症します。
02帯状疱疹ワクチンとは
帯状疱疹ワクチンは、帯状疱疹の発症や重症化を防ぐためのワクチンです。特に50歳以上の方や、免疫力が低下している方に推奨されています。
現在、日本で使用されている帯状疱疹ワクチンは2種類あります。
乾燥弱毒生水痘ワクチン(生ワクチン)と乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(不活性ワクチン)です。
どちらも接種することにより、帯状疱疹の発症リスクを低減し、帯状疱疹後神経痛(PHN)の予防や重症化や合併症のリスクを軽減することが期待できます。